「言葉は諸刃の剣(もろはのつるぎ)」とは、言葉というものは有用であるが、時に自らを傷つけることになるという意味の表現である。(Webilio辞書より)
私たちはコミュニケーションの手段として言葉を使います。
メラビアンの法則によると、コミュニケーションにおいては言語部分(バーバル)が7%、声や動作・表情などの非言語部分(ノンバーバル)が93%を占めていると言われています。
この圧倒的な差、すごいと思いませんか?3:7でも2:8でもなく、7:93って(;゚Д゚)
よほど親しい仲ならともかく、相手がどういう場合にどういう反応を返すのか把握できていない場合、LINEやメールなど、文字だけのやり取りでは、相手がどういう気持ちで発した言葉なのか判別できずに戸惑った経験はないでしょうか。
直前まで楽しい気分でやり取りしていたのに、あまりに素っ気ない返事が来て、「怒らせたかな?」「忙しいのかな?」「興味がないのかな?」と、一瞬迷う感じ。
対面だと相手の状況は見えるし、表情に出ていなくても雰囲気を感じ取ることは出来ます。電話だと声の調子でなんとなく分かるけれど、文字だけの場合、他の情報がありませんから、お互いに誤解が生まれることもあります。
けれど、私たちは言葉によって、泣き、笑い、喜び、怒り、思考するのもまた事実です。
ということで、今回は、言葉の大切さについて、改めて見ていきたいと思います。
先ほども述べたように、私たちは言葉を使って考え、行動しています。いくらバーバルコミュニケーションがたったの7%とはいえ、言葉をおろそかにして良いわけではありません。
思ったことを何でもかんでも目の前の人にぶつけて良いものではないし、誰かの言葉で傷付いた経験がただの一度もない、という人はいないと思います。
それゆえ、良くも悪くも、言葉の影響は大きいと言えます。
誰かの書いた文章に涙することも、誰かに言われた言葉がショックで心を病んでしまうことも、誰かのちょっとした一言で救われることもあります。
自分で自分を責めるのも、自分で自分を鼓舞するのも、言葉によります。
親が子に、教師が生徒に、上司が部下に(あるいは、子が親に、生徒が教師に言うパターンもあるかと)、「そんなことも分からないの!?」「だからお前はダメなんだ」という言葉をかけているシーンに何度も出くわしてきましたが、そういうことを言う側に問題があるんですよね。
言われる側は「そんなことも分からない」から失敗したり質問したりしてるわけで、そのことで責められる筋合いはないんです。逆に、教える側、指導する側にとっては、「なるほど、ここが理解できてないなら、もう少し分かりやすく説明しておこうか」と判断できる材料になるので、「あなたの分からないポイントを示してくれてありがとう」です。
たとえ、同じことを何度も何度もしつこく伝えていて、それを相手が聞いていなかったり、聞いてはいるけど理解できなかったりする場合でも同様です。相手には相手なりの理由があって聞いていなかったり、理解できなかったりします。もしかしたら、そもそも信頼関係を築けていないのが原因かもしれないし、違う伝え方をすれば、すんなり理解してくれるかもしれません。
「だからお前はダメなんだ」は、発している方は大して深く考えもせずに使っているかもしれませんが、これは相手の人間性を否定している言葉です。何かしたことに対して「(あなたがしてしまった)こういう点は良くないと思うよ」と言うならともかく、人間性の否定は誰から誰に対してでも(自分から自分に対しても)して良いものではありません。
ちなみに、日本人は叱るときに相手の人間性を否定しがちだと言われます。海外では後者の叱り方が一般的だとか。
私自身、過去に「毒舌だよね」「ひとこと多い」と言われましたし、「否定より肯定を」「批判・愚痴より賞賛・承認を」と、日常的にかなり気を付けているつもりですが、知らず知らずのうちに、もしかしたら今でも誰かを傷付けていることがあるかもしれません。
でも、気を付けずになんとなく過ごすよりはマシなのかなと思っています。
人を傷付けるより、癒せる自分でありたいですよね。
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